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「ポテンシャルエネルギー」の考え方

力学 電磁気学

力学で「位置エネルギー」を求める問題や,
電磁気学で「電位」を求める問題に困っている人には役立つかもしれません.

ポテンシャルエネルギーを計算する2つの考え方

位置$\boldsymbol{r}$で物体に働く力$\boldsymbol{F}(\boldsymbol{r})$が与えられている( *1 )ときに,位置$\boldsymbol{x}$でのポテンシャルエネルギーを求めるときの考え方は2つあります.

2つの考え方
  1. 「ポテンシャルエネルギーの基準点$\boldsymbol{x}_0$から,位置$\boldsymbol{x}$まで(外から自分が)仕事をする」という考え方
  2. 「位置$\boldsymbol{y}$にある物体に,基準点$\boldsymbol{x}_0$まで仕事をさせる」という考え方

2つはどちらも「エネルギー保存則」を利用してポテンシャルエネルギーを計算しています.
そして当然,両者の計算結果は一致します.

以下で詳しく見てみましょう.

1つ目の考え方

この考え方で注意しなければいけないのは,「仕事をするのは自分」であるという点です.
つまり,「自分」にかかる力を用いて仕事を計算する必要があります.
作用・反作用の法則から自分にかかる力は$\tilde{\boldsymbol{F}}(\boldsymbol{r})=-\boldsymbol{F}(\boldsymbol{r})$ なので,ポテンシャルエネルギーは
\begin{align}
U(\boldsymbol{x})
=\int_{\boldsymbol{x_0}}^{\boldsymbol{x}}\tilde{\boldsymbol{F}}(\boldsymbol{r})\cdot\mathrm{d}\boldsymbol{r}
=\int_{\boldsymbol{x_0}}^{\boldsymbol{x}}(-\boldsymbol{F}(\boldsymbol{r}))\cdot\mathrm{d}\boldsymbol{r}
\end{align}
となります.

2つ目の考え方

今度は,仕事をするのは「物体」ですが,積分経路が逆になります.
従って,ポテンシャルエネルギーは
\begin{align}
U(\boldsymbol{x})
=\int_{\boldsymbol{x}}^{\boldsymbol{x_0}}\boldsymbol{F}(\boldsymbol{r})\cdot\mathrm{d}\boldsymbol{r}
\end{align}
となります.

一様重力場

重力加速度$g$の一様重力場中にある質量$m$の物体を考えましょう.
鉛直上方向を正とすると,物体には$-mg$の力が働きます.

基準点からの高さを$h$とすれば,位置エネルギーが$mgh$で表わされることは知っていますね.

これを上の2つの考え方で見てみましょう.
1つ目の考え方は「高さ$h$まで物体を持ち上げたときに自分がする仕事が,物体のポテンシャルエネルギーになる」という立場です.
一方で2つ目の考え方は「高さ$h$にある物体を基準点まで自由落下させたときにした仕事(放出したエネルギー)が始めに持っていたエネルギーである」という立場です.

簡単ですね.

クーロン力

電荷$q_1$が原点に置かれているとき,位置$\boldsymbol{r}$にある電荷$q_2$には力
\begin{align}
\boldsymbol{F}(\boldsymbol{r})
=\frac{1}{4\pi\varepsilon_0}\frac{q_1 q_2}{r^2}\frac{\boldsymbol{r}}{r}
\end{align}
が働きます (但し,$r=|\boldsymbol{r}|$).

では,ポテンシャルエネルギーの基準点を無限遠にとり,
$q_2$のポテンシャルエネルギーを2つ目の方法で求めてみましょう:
\begin{align}
U(\boldsymbol{r})
=\int^{\infty}_{\boldsymbol{r}} \boldsymbol{F}(\boldsymbol{r}^\prime)\cdot\mathrm{d}\boldsymbol{r}^\prime
=\int^{\infty}_{r} \frac{1}{4\pi\varepsilon_0}\frac{q_1 q_2}{r^{\prime 2}}\mathrm{d}r^\prime
=\frac{1}{4\pi\varepsilon_0}\frac{q_1 q_2}{r}
\end{align}


最後に

もう,ここまでわかってしまえば,コンデンサーの電位を求める問題だって同じです.



*1:もちろん,保存力であるわけですが